シミやソバカスは、多くの人にとって気になる肌悩みのひとつだ。化粧品や医薬部外品のパッケージには「シミ・ソバカスを防ぐ」といった表示が見られる。ただしこの表示には、決まった言い方と条件がある。買う前に知っておくと、表示の見方が変わってくる。
「シミ・ソバカス」に使える化粧品の表示は2つだけ
化粧品として表示できる効能の範囲は56項目に決められている。出典は厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)の別表第1である。
このうちシミ・ソバカスに関わるのは、(36)「日やけを防ぐ」と(37)「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」の2項目だけだ。この2つ以外に、シミ・ソバカスという言葉を使える項目は無い。
注意したいのは、(37)が「日やけによる」シミ・ソバカスに限られている点である。原因を問わずにシミ・ソバカス全般を防ぐという表示ではない。
どちらの表示にも付いている「防ぐ」という言葉
(36)(37)はいずれも文末が「防ぐ」で終わっている。この「防ぐ」は、これから先に起こることをとどめるという意味である。
つまり、すでにできてしまったシミやソバカスに対して使える言い方ではない。化粧品の効能の範囲56項目の中には、すでにあるシミ・ソバカスをどうにかするという言い方は含まれていない。
化粧品の表示を見るときは、この「これから防ぐ」という向きを押さえておくとよい。
医薬部外品の日やけ止め剤も「防ぐ」側にある
日やけ止め剤の中には、化粧品ではなく医薬部外品として扱われるものがある。医薬部外品は化粧品とは別の区分で、効能効果の範囲は厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」別表4-1に定められている。
別表4-1における日やけ止め剤の効能効果の範囲も、「日やけ・雪やけを防ぐ」「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」など、いずれも「防ぐ」という言い方である。
化粧品と医薬部外品は区分が異なり、根拠となる規定も別である。それでも、シミ・ソバカスに関する表示は、どちらの区分でも「防ぐ」にとどまっている。
成分名が変わっても表示できる範囲は変わらない
医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)では、化粧品・医薬部外品・医薬品が区分として分かれている。効能効果として表示できる範囲は、この区分ごとに決まっている。
化粧品にどのような成分が配合されていても、化粧品として表示できる範囲は56項目の内側にとどまる。成分名を挙げたからといって、表示できる範囲がその成分の分だけ広がるわけではない。
だから全成分表示に見慣れない成分名を見つけたときも、そこから効能を読み取ることはできない。読み取れるのは、その商品が何を配合しているかまでである。
表示を見るときに確認すること
パッケージや広告で「シミ・ソバカスを防ぐ」といった表示を見たときは、「日やけによる」「防ぐ」という条件が付いているかを確認するとよい。
条件が付かずに「シミ・ソバカスを防ぐ」とだけ書かれている表示や、成分名を根拠にして範囲以上の効果を示しているように見える表示には注意したい。
区分が化粧品なのか医薬部外品なのか、そして表示の内容がどうなっているか。この両方を確認すると、表示がどのような位置づけのものか分かりやすくなる。




