スキンケアの順番を調べると、どのページもよく似た並びを示す。ただし、その並びを誰が決めているのかまで書いたページは少ない。
この記事では、順番の出どころを法律と告示の側から確かめる。そのうえで、手元の3本で自分の順番を決める手順を整理する。肌の中で何が起きるかという話はしない。
上位の記事は同じ並びを示すが、出どころには触れていない
2026年8月21日に「化粧水 乳液 美容液 順番」で検索し、上位のうち本文を読めた6本を当サイトで数えた。6本はどれも化粧品の販売元か商業施設のコラムで、皮フ科のページは入っていない。
6本とも、化粧水のあとに美容液、そのあとに乳液という形の並びを示していた。一方で、手元の製品の説明書やパッケージを確かめるよう書いていたのは2本だった。
その並びを決めているものが法律や告示のどこにあるのかに触れた記事は、6本のうち0本だった。並びが揃っている理由は、法定の順番があるからなのか、各社の推奨が似ているからなのか。ここを確かめるには制度の側を見るほかない。
使う順番は、容器に書く決まりの中に無い
化粧品の直接の容器や被包に記載しなければならない事項は、医薬品医療機器等法第61条に定められている。製造販売業者の氏名または名称、名称、製造番号、指定成分の名称、指定された化粧品の使用の期限などが7号まで並ぶ。
この条文に、使用方法や使う順番は入っていない。医薬部外品について同じことを定めた第59条にも、用法や使用方法は無い。
つまり、順番は「容器に書かなければならないもの」として国が求めている事項ではない。書かれている製品があるとすれば、それは販売元が自分で決めて書いたものである。
用法を国が審査する化粧品は、一部にとどまる
用法・用量という言葉が出てくるのは同法第14条である。第2項第三号に、審査の対象として名称、成分、分量、用法、用量、効能、効果、副作用その他の品質、有効性および安全性に関する事項と書かれている。
ただし、第14条第1項で承認が要るのは、医薬品と医薬部外品、それに厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品である。それ以外の化粧品は第14条の9で、品目ごとに届け出ることになっている。
手元の化粧品の多くは後者に当たる。その使い方は国の審査を通って決まったものではない、と条文の並びから言える。
化粧品基準が決めているのは、1本の中の配合まで
成分の側から順番が決まっている可能性も確かめておきたい。化粧品の成分について定めているのは化粧品基準(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)である。
化粧品基準が決めているのは、配合してはいけない成分(別表第1)、配合の上限がある成分(別表第2)、防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素(別表第3・第4)である。いずれも1つの化粧品の中の話にとどまる。
別の化粧品と重ねて使う順番についての定めは、この告示に無い。順番は、容器の記載事項からも、承認の審査からも、成分の基準からも決まっていないことになる。
順番は、手元の3本の使用方法欄で決まる
決めているのは各製品の使用方法欄である。同じ化粧品の区分でも、指定は製品ごとに違う。
たとえばNo46.ピュアRTセラム(株式会社桃谷順天館)の公式の「ご使用方法」は「化粧水などで肌を整えた後、適量(パール粒大)を手のひらに取り、顔全体から首すじにかけて、丁寧にのばしてください。本製品をご使用中は、紫外線ダメージを受けやすいため、日中は必ず日やけ止めをご使用ください。」である。
角質ケアクリーム レチベイビー(株式会社N-LaBo)の公式の使用方法は「化粧水や美容液でお肌を整えた最後にご使用ください。パール1〜2粒大を手に取り、お顔全体を包み込むようになじませます」である。どちらも化粧品だが、指定される位置は前と後ろに分かれている。
呼び名が同じでも位置が変わる例もある。上で数えた6本のうち1本は、ブースター美容液を洗顔の直後、化粧水より前に置く手順として紹介していた。別の1本は、先行乳液やシートマスクのように基本と違う使い方が推奨される製品があると書いている。
だから、手順は次の3つで足りる。手元の3本の箱と公式ページの使用方法欄を読む。位置の指定があればその通りに置く。指定が無い製品は、順番についての法令上の定めが無いことを前提に、自分の手順の中で置き場所を決める。




