化粧品を選ぶとき、パッケージに並ぶ全成分表示を見て何が分かるのか迷うことがある。表示から読み取れる範囲と、読み取れない範囲がある。全成分表示のルールに沿って、その境界を確認する。
全成分表示から、まず何が分かるか
化粧品は医薬部外品と違い、承認を受けた有効成分という枠組みが無い。配合したすべての成分を、全成分表示として書く決まりになっている。
記載順は分量の多い順であると、厚生労働省の通知「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日 医薬監麻発第220号・医薬審発第163号)に書かれている。この記載順のルールが、全成分表示から読み取れる範囲を決めている。
同じ商品名でも全成分は違う――No46.ピュアRTセラムの例
REGLAGEのNo46.ピュアRTセラムには、無香料とシトラスフローラルという香りのバリエーションがある。全成分表示を比べると、香りに由来する成分が加わっている点で違う。
無香料の全成分は「水、グリセリン、DPG、スクワラン、BG、トリエチルヘキサノイン、レチノール、ヤマザクラ胎座培養エキス、ザクロ果皮エキス、ダマスクバラ花エキス、乳酸桿菌/豆乳発酵液、ダイズ種子エキス、フェノキシエタノール、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10ー30))クロスポリマー、カルボマー、水酸化Na、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、セレブロシド、ペンチレングリコール、グルコシルルチン、BHT」である。
シトラスフローラルはこれと同じ並びに、オレンジ油・ラベンダー油・ベルガモット果実油・アトラスシーダー樹皮油・香料(フランキンセンス)・ユズ果皮油・オニサルビア油・センチフォリアバラ花油・レモングラス油が加わる。
商品名だけでは全成分は決まらない。香りやバリエーションが違えば、中身も違うという点に注意が必要だ。
並び順から配合量の多い少ないは決められない
全成分表示は分量の多い順に並べる決まりだが、例外もある。同じ通知には、配合量が1%以下の成分と着色剤は順不同でよいと書かれている。
そのため、表示の後ろのほうにある成分が実際にどれくらいの量なのかは、表示だけからは判断できない。並び順は目安にはなるが、少ない側の順番までは配合量を示していない。
成分名が載っていても、化粧品として書ける効能は増えない
化粧品として表示できる効能の範囲は、厚生労働省の通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)に定められた項目に限られる。
全成分表示に成分名が載っていることと、その成分を理由に効能をうたえることは別の話である。成分が配合されていても、書ける効能の範囲がそれによって広がるわけではない。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律では、医薬品・医薬部外品・化粧品が区分されている。医薬部外品には承認を受けた有効成分という枠組みがあるが、化粧品にはこの枠組みが無い。
買う前に、表示だけで自分ができること
まず、自分が選ぶ香りやバリエーションの全成分表示を実際に見ることだ。商品名だけで判断せず、香りが変われば全成分表示も変わる点を確かめる。
次に、並び順を配合量の多い少ないとそのまま読み替えないことだ。後ろのほうにある成分の量は、表示だけでは分からない。
気になる成分があれば、成分名で全成分表示と照合する方法がある。一致するかどうかを確認する作業であり、それ以上の判断を表示に求めない。
他社商品と比べて優劣を付けたり、「安全」「危険」と断定したりすることは避けたい。全成分表示は配合された成分を示す表示であり、断定の材料ではない。




