難消化性デキストリンは、青汁や飲料など多くの機能性表示食品に使われている成分だ。同じ成分名でも、商品によって届出表示の内容は異なる。購入前にパッケージの表示を確認することが、期待と実際のずれを防ぐ手がかりになる。
難消化性デキストリンとは何か
難消化性デキストリンは、食物繊維の一種である。機能性表示食品の届出書では「機能性関与成分」として記載される成分にあたる。
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠となる資料を添えて消費者庁に届け出る制度だ。消費者庁の機能性表示食品の届出等に関するガイドラインによれば、消費者庁が個別の商品について効果を審査する制度ではない。事業者が自らの責任で科学的根拠を示し、その内容を消費者庁に届け出るしくみである。
ここで押さえておきたいのは、同じ難消化性デキストリンを使った商品でも、パッケージに書かれる「届出表示」の内容が商品ごとに違うという点だ。以下、実際の届出表示を見ながら確認する。
届出表示は商品ごとに違う
届出番号B536「おいしい青汁」の届出表示には、次のように書かれている。「本品には難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。難消化性デキストリン(食物繊維)は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させ、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにすることが報告されています。また、食事から摂取した糖の吸収をおだやかにするため、食後の血糖値の上昇をおだやかにすることが報告されています。さらに、おなかの調子を整えることが報告されています。」脂肪の吸収抑制、糖の吸収緩和、おなかの調子を整えることの3点が報告されている。
一方、届出番号A44「キリン メッツ プラス レモンスカッシュ」の届出表示は、範囲が異なる。「難消化性デキストリンは、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させるため、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにすることが報告されています。」ここには脂肪の吸収抑制と食後の血中中性脂肪の上昇緩和のみが書かれており、おなかの調子に関する記載はない。
届出番号B515「アイスコーヒー」はさらに範囲が絞られている。「難消化性デキストリンは、食事から摂取した糖の吸収をおだやかにするため、食後の血糖値の上昇をおだやかにする機能があると報告されています。」書かれているのは食後の血糖値の上昇緩和のみで、脂肪の吸収抑制についての記載はない。
このように、同じ難消化性デキストリンを使っていても、届出表示に書かれる内容は商品ごとに異なる。ある商品の表示を見て別の商品にも同じ効果を期待するのではなく、その商品自体のパッケージに書かれた届出表示を確認する必要がある。
「〜と報告されている」の意味を読み違えない
届出表示に共通するのは、「〜することが報告されています」という言い回しだ。これは研究結果を紹介する表現であり、購入者全員に必ず効果が出ることを約束するものではない。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)のもとでは、医薬品のような効能効果の表示を食品に行うことは認められていない。機能性表示食品も食品であり、この点は変わらない。
また、届出表示に書かれていない効果を、広告や店頭説明で付け足すことは問題になり得る。不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、実際より優れているように見せる表示を不当表示として規制している。届出表示の範囲を超えた説明は、この不当表示にあたるおそれがある。
買う前に届出表示を確認する方法
商品を選ぶときは、パッケージに記載された届出表示を実際に読み、どこまでが報告されている内容かを確かめる習慣を持つとよい。B536・A44・B515の例で見たとおり、同じ成分名でも書かれている内容の範囲は商品ごとに異なる。
より詳しく確認したい場合は、消費者庁の機能性表示食品届出情報データベースを使う方法がある。商品名や届出番号を入力すると、その商品が実際に届け出た届出表示を検索できる。
同じ成分名を見かけても、届出表示に書かれている範囲を超えて効果を期待しないことが、購入前の確認ポイントになる。パッケージの表示を自分の目で読むことが、まず基本の一歩である。




