化粧品には「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表示が付いていることがある。何気なく読み流しがちだが、この表示には根拠となる制度と、対象の範囲が定められている。買う前に確認しておきたい点を整理する。
化粧品の「効能56項目」とは何か
医薬品医療機器等法では、化粧品がうたってよい効能効果の範囲があらかじめ決められている。医薬品のような効能効果をうたうことはできない。
この範囲は平成23年の改正で見直され、別表第1という一覧に56項目が示された。「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、このとき56番目として新たに加わった項目である。
つまり、この表示は化粧品が自由に名乗っているものではなく、通知に示された範囲の中で認められた言い方に沿って書かれている。項目として存在すること自体が、対象を限定する根拠になっている。
対象は「乾燥による小ジワ」に限られる
この表示が指すのは、あくまで乾燥が原因で生じる小ジワに限られる。表示の名称に「乾燥による」という限定が含まれている点が要になる。
一方で、加齢など乾燥以外の原因で生じるしわや、すでに深く刻まれたしわは、この項目の対象に含まれない。56項目のうちの1つはこの範囲でしか認められていないため、表示の外側まで効果が及ぶわけではない。
表示を見るときは、この限定を外して「しわ全般に効く」と読み替えないよう注意したい。乾燥が原因ではないしわについて、この表示から何かを判断することはできない。
「※効能評価試験済み」は何を意味するか
「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効能をうたうには、日本香粧品学会のガイドラインに基づく試験、またはそれと同等以上の試験を行っている必要がある。誰でも書けるわけではなく、試験の実施が前提になっている。
商品によっては、この表示に「※効能評価試験済み」という注記が添えられていることがある。この表記自体は、日本化粧品工業連合会が定めた自主基準に基づくものである。
ここで注意したいのは、国が個別の商品を審査し、認可して付けている表示ではないという点だ。試験の実施と表記のルールは業界団体が定めたものであり、行政が商品ごとに中身を確認して合格を出しているわけではない。
購入前に表示のどこを確認すればよいか
まず、「乾燥による」という限定が表示に付いているかを確認したい。この限定がある表示は、対象がしわ全般ではなく乾燥が原因の小ジワに絞られている。
次に、「予防する」といった医薬品のような効能効果の言い方になっていないかを見る。化粧品はこうした表現をうたうことができないため、もし見かけたら効能表示としての範囲を超えている可能性がある。
最後に、※印が付いている場合は、それが業界団体の自主基準に基づく試験済みという意味であることを理解しておきたい。国の審査・認可を示すものではないと分かっていれば、表示を過大に受け取らずに読むことができる。




