医薬部外品と化粧品は、どちらもドラッグストアの化粧品売り場に並ぶため、違いが分かりにくい。しかし法律上は別の区分であり、パッケージに書ける言葉の範囲も異なる。区分の見分け方を知っておくと、表示を読むときの手がかりになる。
化粧品と薬用化粧品は法律上どう違うのか
医薬品医療機器等法では、医薬品・医薬部外品・化粧品がそれぞれ別の区分として定められている。薬用化粧品類は、このうち医薬部外品に含まれる区分である。
区分が違うと、パッケージや広告で言ってよい効能効果の範囲も変わる。同じ「肌にうるおいを与える」であっても、化粧品として言う場合と薬用化粧品類として言う場合とでは、根拠になっているルールが異なる。
この違いを知らないまま商品同士を比べると、同じ「効く」という言葉でも意味が違うことに気づきにくい。まず区分の存在を知ることが、表示を読み解く出発点になる。
化粧品が言える範囲:56項目のホワイトリスト
化粧品が表示できる効能効果は、あらかじめ決められた56項目の範囲内に限られる。この一覧に含まれていない表現は、化粧品としてパッケージや広告に書くことができない。
56項目には、「清潔にする」「肌を整える」「皮膚をすこやかに保つ」といった、日常のお手入れに関する表現が中心に並ぶ。体質改善のような、医薬品的な効果を示す言葉は含まれていない。
そのため化粧品の表示は、日々の手入れの範囲にとどまる言葉で構成されることになる。これは化粧品という区分そのものの性質による制約である。
薬用化粧品類が言える範囲:もうひとつのホワイトリスト
医薬部外品のうち薬用化粧品類には、化粧品の56項目とは別に、独自の効能効果リストが定められている。このリストに載っている表現であれば、薬用化粧品類として表示できる。
つまり、同じ「化粧品売り場に並ぶ商品」であっても、区分が化粧品か薬用化粧品類かによって、言える言葉の範囲そのものが変わる。薬用化粧品類のリストには、化粧品の56項目には無い表現も含まれている。
パッケージのどこかに「医薬部外品」と表示されている商品は、この薬用化粧品類のリストに沿って効能効果が書かれていると考えられる。区分表示を確認することが、言葉の範囲を推測する手がかりになる。
育毛剤で見る「言える言葉」と「言えない言葉」
厚生労働省の手引き別表4-1には、医薬部外品の効能効果の範囲が区分ごとに示されており、育毛剤についても言える言葉が列挙されている。この一覧を見ると、似た言葉でも表示できるかどうかが分かれる例がある。
例えば「発毛促進」という言葉は言えるが、「発毛」という言葉単体は言えないという違いがある。これは、育毛剤が医薬品のような効果までは認められていないためだと考えられる。
一語違うだけで、表示してよい言葉とそうでない言葉に分かれる。育毛剤の例は、区分ごとに定められた効能効果の範囲がどれほど細かく決められているかを示す一例といえる。
商品を選ぶときに確認したいポイント
商品を手に取ったら、まずパッケージに「化粧品」「医薬部外品」のどちらの区分表示があるかを確認する。この区分によって、その後に続く効能効果の言葉が言ってよい範囲も変わってくる。
次に、効能効果の言葉が、その区分で認められた範囲を超えていないかを意識して読む。区分に対して言葉が強すぎる場合、慎重に受け止めたほうがよい。
景品表示法では、実際のものより著しく優れていると消費者に誤認させる表示は不当表示にあたりうるとされている。区分ごとに言える言葉の範囲を知っておくことは、こうした表示を落ち着いて読み比べる助けになる。
区分と言葉の対応関係は、一度知ってしまえば難しいものではない。パッケージを手に取ったときの見方が、少し変わってくるはずである。




